大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和37(オ)985 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人豊沢秀行の上告理由第一点について。

原判決によれば、原審は上告人の先代D(賃貸人)が被上告人(賃借人)に支払

催告した期間の賃料は合計金二五、〇〇〇円で、その間における原判示の統制賃料

総額金六、八四二円の約三、六倍以上であり、かつ、被上告人の妻EがDから昭和

三〇年一一月分の賃料の受領を拒絶されて以後、被上告人とD双方の家族の折合が

喧嘩状態となり、たとえ、被上告人がDに適正賃料を提供しても、Dにおいてこれ

が受領を拒絶したであろうことが推認できる旨判示しており、原審の認定は原判決

挙示の証拠関係に照らして首肯できないことはない。右の如き事実関係のもとにお

いては、Dのなした本件催告は、いわゆる過大催告として無効であるとした原審の

判断は正当であり、原判決には所論違法はない。所論引用の判例はいずれも本件に

適切でなく、論旨は採用できない。

同第二点について。

原審が適法に確定した事実によれば、被上告人は上告人に対し本件家屋の賃料債

務の弁済として昭和二八年九月一日から同三〇年一〇月末までの間に合計金六五、

〇〇〇円を支払つたが、本件家屋の賃料については地代家賃統制令の適用があり、

右期間内に支払うべき統制賃料は一七、七〇六円であつたというのである。右事実

関係のもとにおいては、被上告人は上告人に対し右差額金四七、二九四円の不当利

得返還請求権を有するとした原審の判断は相当であり、原判決には所論の違法はな

い。そして、右差額金の支払が非債弁済であるとの点は、上告人の抗弁として主張

さるべきところ、記録に徴するも、原審において上告人よりかかる抗弁のなされた

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形跡は認められないから、論旨は、結局判決に影響のない原判示部分について違法

をいうに帰し、採用できない。�

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

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